愚痴と夢と妄想を書き散らかす。

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(約3000文字)

昨日久々に友人の精神科医Gに電話をしてグチをこぼした。聞いてもらってだいぶすっきりしたので、ブログに書くモチベーションは下がっているのだけど、でも書く笑笑。

 

まぁ私の愚痴と言ったら、大体お決まりだよね。仕事の事。

 

80代の男性患者Sさん。もともとはお元気だったんだけど、次第に嚥下機能が悪くなり、今年に入ってから誤嚥性肺炎を繰り返している。逆流性食道炎も併発して吐血もした際に他の総合病院に検査も兼ねて入院治療してもらって、最近うちの病院に帰ってきた。

Sさんが再入院してきた際に入院先の病院から頂いた診療情報提供書に、嚥下機能の低下した患者さんの食事の仕方について、完全側臥位による食事を勧める内容があり、やり方の説明書も添付してくださっていた。これまでうちの病院では、Sさんには座位で食事をしてもらっていた。病院食では、嚥下機能の程度に応じて、普通食、キザミ、軟菜、ミキサー、ゼリー食などの種類があるのだけど、Sさんは今、1番嚥下機能の低い人が食べるゼリー食ですら、一回でも食べると誤嚥してしまうという状態だ。ところが、入院先の病院では、粥ミキサー食を食べることができていたとのこと。完全側臥位すごいな。高齢者が増え、それに伴い嚥下機能の低下した患者さんが増えてきたことで、なるべく誤嚥しないで食べるための新しい方法が出てきた事は喜ばしいことだ。今まではそういう患者さんには、胃瘻(いろう)を作るのが定番だった。でも胃瘻を作られてしまった患者さんは、口から食事を味わうという楽しみを奪われてしまうのだ。本当は胃瘻を作っても、口からものを食べてはいけないというわけでは無いのだけど、一応経口じゃなくても体に栄養が入る以上は、ほとんどの医者は誤嚥のリスクを伴うような経口摂取は許してくれない。なので、完全側臥位は、どの程度誤嚥を防ぐかわからないけど、新たな選択肢として歓迎すべきものだと思った。

 

と•こ•ろ•が•だ‼︎

 

看護側の反対にあう。

完全側臥位は、うちの病院では難しい。内科の病院では嚥下専門の看護師もいるけど、うちでは経験のあるものがいない。角度を保つのが難しい。あーだこーだ…

 

まぁ実際に介助するのは私じゃなくて看護師なので、彼らの苦労には私には及ばないところはあるけど、でも、いうほど難しいか?実際動画でやってるところを見てみたけど、私にはそこまで難しいとは思えない。

看護師全員がそういう考えなのではないと思う。看護師内に上下関係があるから、上が保守的だとどうしてもそうなるよね。看護に関わらず、全体の空気がそうなんだろう。

ここの病院の悪いところは、昔からのやり方を頑なに変えず思考停止してるところだ。できないと決めつけるんじゃなくて、まずやってみようよ。それでできなかったら、「やっぱりできなかったね」でいいからさ。

 

ここの医者に限らず多くの医者が、経口で誤嚥を繰り返してしまうような患者さんには、点滴をつなげるだけにしてしまう。その方が誤嚥の可能性は少ないという理由でね。でも、実はこういう患者さんは食事をしなくても、自分の唾液でどのみち誤嚥してしまうんだよ。点滴だけになると、栄養なんてほとんど得られないから、どんどん衰弱していく。何より、ベッド上で何もやることのない患者さんにとって唯一の楽しみともいえる食事が奪われてしまうと、患者さんから目の輝きが失われる。

 

もちろん、死期が近く「食べたい」という気持ちもなくなっている方なら、経口にする必要はないだろう。でも、Sさんは「食べたい」人なんだよ。

 

結局、Sさんは看護が座位で慎重にゼリー食を介助したにもかかわらず、すぐ誤嚥して、意識レベルが下がり、ショックバイタルとなり、以前入院依頼をした病院に入院することになった。見送る直前、意識が戻った彼は、私に向かって笑顔で「ゼリーおいしかった」と言った。

 

私は、そこの病院の医師あての情報提供書に、Sさんの精神症状はほぼ安定しており、うちの病院では完全側臥位をしないため、容体が安定したらそれをしてくれる病院に転院先を決めて頂きたい旨依頼した。

 

それでもSさんがもし、うちの病院に再入院するなら、今度は私が勤務している日だけでも、私が完全側臥位で介助する。彼らは、誰かが挑戦してできるとわかったら自分たちもやるだろうからね。リスクをとることを嫌う人多いけどさ、「リスクを取らないリスク」もあるんだよ…

 

もひとつ、ちょっと嬉しいこと言わせて!

最近毎日私のてげてげ動画とピアノ動画を訪問して感想を言ってくださる方がおられるんだけど、すごく嬉しいことを言ってくださったのね。すみません、そっと載せちゃいます。

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他の精神科医youtubeチャンネルよりも、わかりやすく話しているということについては、一応うつ状態でしんどい視聴者さんも想定しているので、楽に聴けるものを、とは思っている。「報酬系は…側坐核が…前頭前野に…」みたいなのは、それはそれで睡眠を誘って良いのかもしれないけどね。

 

そういや最近またワットさんがバズってたの拝読したんだけど、「いや、アナタよりアタマいいハテナーなんておるんか⁉︎」と思いながら読んだの、私だけじゃないはず。

わが観測範囲の「はてなー」さんでいちばん頭のいい人 - 💙💛しいたげられたしいたけ

ちなみにここであがっている医師は私ではないと思うけどね。

 

 

ワットさんのおっしゃる頭がいい人とは、このような人のことらしい。

難解な専門用語を一切排除して、普通に伝わる範囲の言葉のみを使っている。

難しい概念を、誰にでもわかるように話せる人は頭がいいなと私も思う。でも私の場合は、そもそも難しい題材について話してないからなぁ。仕事離れてプライベートな時間まで難しいことなんて考えたくも書きたくもないからね。

 

ワットさんの「頭がいい人」で私が思いついたのは、この人。

【残酷な真実】監獄の誕生|フーコー 仕事や勉強がストレス過ぎるあなたへ - YouTube

このアバタローさんのチャンネル、数ある本要約系の中でも、扱っている本がかなり難解なのにもかかわらず、まとめ方がものすごくうまい。わかりやすく、すんなり頭に入ってくる。ただ要約するだけでなく、このアバタローさんの個性とか価値観みたいなものもうっすら感じられるのがまたよい。

このアバタローさんが、読書系サロンを募集していたので、普段オンラインサロンには興味がなかったけど応募してみた。メンバーに入れるかどうか、抽選結果が8月にある。

これに応募したのは、他人に刺激されることでもう少しちゃんと読書習慣を確立できないかなぁと思って。

最近私は、ビブリオセラピー(読書療法)というものに興味があるのである。

 

だいぶ先の話になるんだけど、いつか森?自然の多い場所に、ぽーぺにゃんカフェを作る。その一部屋には、図書館みたいにたくさん本おきたいんだ。そんで訪ねてきた迷える旅人とお茶を飲みたくさん話をして、薬を処方するかわりに、本を処方する。お代は、金でも、労働(お手伝い)でもいいし、なにかお勧めの本を持ってきて置いていってくれてもいい。本を持ってきてくれたり寄付してくれる方には、その本のどこがどんなふうによかったか話して欲しいな。そしたら、その本の推薦文、書店のポップみたいなものを貼り付けるから。そんときは誰かかわいいポップ書いてくれる人募集しよ!

 

ちなみに友人マルオは元出版業、今は書店経営をしているので、その時まだ友達をしていたら、書店経営者目線でアドバイスもらいたいなぁ。

 

…と、夢と妄想が広がって止まらない今日この頃である。

 

今週の動画



ではまた。

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