スランプで何にも手につかない時に私がやること。

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普段の私の生活は、時々ブログにも書いてるけどまあまあ忙しい方だと思う。

週6〜7の日勤に、月10回くらいの夜勤。それでも、すきま時間をちょこちょこと使って、運動面では朝ヨガ、スクワット100回、筋トレ10分ほど、ウォーキング1時間、読書、英語とフランス語の勉強、ピアノ…あとはブログをちょっこし、そんなことをしている。

 

こんなふうに、すきま時間を使って効率的に生産性を上げることを考えだしたのは、医学部受験の頃からの習慣。1日8時間のバイトの時間以外の時間を見繕って受験勉強しなきゃいけなかったから、いやでも効率性が身に付いた。

 

なんだかちょっとイヤミな意識高い系みたいであれなんだけど、私は毎日をゲームのように、手帳に今日クリアした項目にチェックをつけるのが楽しいんだよね。自分で自分の人生をコントロールしてる感じが楽しいっていう気持ち、わかる人いる?

 

そう、私は「習慣オタク」なんだわ。こりゃモテないわ。笑

 

漫画も映画も大好きなんだけど、今はそれらすらも、私の効率的な生活を支えるための道具となっている。

 

漫画は、眠い時に手っ取り早く眠気を覚ますため、コーヒーのカフェインと併用する。眠気が覚めるまでの短い時間しか読まないため、あまりに面白すぎる漫画は避ける。面白すぎて何冊も何冊も続きを読んでしまうような漫画は、その日の予定を台無しにするリスクがあるから。

 

映画やドラマ、アニメは、自分が1番見たいものではなく、英語やフランス語のリスニング目的に見るので、それらの音声や字幕があるものしか見ない。例えば、鬼滅の刃Netflixにあるが、日本語でしかやってないので見ない。

 

そんなことで楽しいの?と思われるかもしれないけど、そこそこ面白いアニメやドラマを見ながら同時にその時間が勉強になってると思ったら、この一石二鳥感にゾクゾクするんだよね。

 

じゃあ、ページをめくる手が止まらなくなるような面白い漫画や、語学の勉強にならないけど本当にみたかった映画は見ないのか…?

 

それは、それらを見る時が来たらみても良いことにしてる。

 

それは、あまりのショックに普段の生産的な習慣が吹っ飛んでしまうようなことが起こったとき。

 

私はいつかはそういう時が来るだろうと思っている。その時が来たら、生産性効率性など気にせずに、見ようと思っていたものを見る。

 

優れたエンターテイメントは、いっときの不安や恐怖や痛みを忘れさせてくれる。悔しいけど、生半可な精神療法なんかじゃ太刀打ちできないんだよね。

 

だから、私はその時にそなえて、何を見たり読んだりするか、リストを作っている。

 

困ったことに?、そういった日が何年も訪れないため、リストだけが溜まっていく。私は強靭なるこんにゃくマインドの持ち主なので、数年前にまあまあ大きな手術をした時も、結局そのリストを使うほどのスランプにはならなかった。

 

それが起こったときには、病院のベッドの上かもしれないが、猫は友人に預かってもらい、時々動画を送ってもらい、私は何も生産性のあることなどせず、ひたすらリストに挙げた映画を見たり、漫画をむさぼり読む、と決めている。そうすると、最悪な時もそう悪くない。

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今日のピアノ動画はかわいいゲストがいるので、聴かなくてもいいから見てね。



ではまた。

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【補足あり】日本の告白文化と欧米のデート文化

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突然ですが、「告白」について。

あなたは誰かに告ったこと、ありますか?私?私はないです。自分に自信がないから、きっと一生そんなことはしないんじゃないかと思います。

ま、それはいいとして…

 

日本人は、相手のことを全く知らなくても、告白されて付き合うという文化がある。バレンタインとか学校祭とか卒業式とかで、女子が男子に「ずっと〇〇さんの事…」とか何とか言ってもじもじしながら、手紙を渡したりチョコを渡したりというのが昔の漫画にあったりリアルにあったりしてたけど、今は手紙の時代じゃないから「LINE教えてください」とか言うのかな?

 

それか、気になる人を食事に誘って、3回ぐらいあったところでそれとなく告る、みたいな感じかな。

 

これだと、どうしても短期決戦型になってしまうので、ルックスなど外的条件の良い人が圧倒的に有利になってしまう。

 

私は断然、この点では欧米のデート文化の方が好みだ。

 

欧米では、まだ付き合う付き合わないというところまでいかなくても、なんとなく好ましい相手には声をかけて相手をデートに誘う。そんなに「好き…」くらいに思い詰める前に行動するので、その時点でふられても傷は浅い。そして、誘われた相手も、誘われた時点では、単なるデートの段階なので、そんなに好みでなくても応じる可能性が比較的高いと思う。

 

こうして、なんとなく好ましい複数の相手と、ゆるく「デーティング」の期間を経て、その中の誰かと互いに何となく気持ちが通じ合えば「ステディ」になり、他の人とのデートはしなくなる。

 

こっちだと、デートを始めた時点では、4番手くらいの相手だったとしても、会って話をするということを重ねているうちに、互いに趣味や価値観が合うことに気づいたり、外的条件以外の相手の良さを見る機会があって、そこで番狂わせが起こることだってある。

 

欧米人は言う。

「よく日本人は、いきなり付き合ってくださいなんて言われて、ほとんど知らない人とすぐに彼氏彼女になれるね!?」

 

言われてみればそうかもなぁ…

 

もう1つの動画のことすっかり忘れてた。

ではまた。

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私はピアノ

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昼休憩の散歩で水面がきれいだった。

今日もバタバタしているので、貼るもの貼って寝ます。

明日明後日とピアノに触れないので、今日は帰宅してから3曲分弾きました。

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仕事から帰るといつも私のライフは0で、集中力の欠片もなく搾りかすのような存在になってるけど、ピアノは別腹というか何とか弾けるもんだなぁ…ヨレヨレの搾りかす状態で弾いてるものを聴いてくださる優しい方々いつもありがとうございます。

 

 

ではまた。

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北ウイング


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眠いので、これ貼って寝ます。

そうそう、昨日寝る前にある漫画を読んで寝たんだけどね、そしたら夢の中で私その漫画の主人公になってたのね。その主人公は息子と娘を持つごく普通の主婦でね。その設定はその漫画そのままなんだけど、その主婦が寝てる時、夢を見て、夢の中で独身の精神科医になった夢を見て(ワシじゃ!)主婦がその夢からさめて、娘に「あーびっくりした! なんだ夢か。いやにリアルだったんだけど、聞いてくれる? 私がなんと精神科医をしてるのよ!」と話して、娘が「何言ってんのよ。そんなわけないじゃない」「そうよね。そんなわけないわよね。私勉強なんか大の苦手だったんだし…」とかなんとか言っているうちに本当に目が覚めて、多分10秒くらいは「あれ、私って誰…?」と混乱していた。夢って面白いね。

ではまた。f:id:nkobi1121:20211006215143j:image

 

あの時代を忘れない…って言ったら、どの時代かな、自分の場合。

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今日はこれから、今アマゾンから届いたおもちゃで猫と遊ぶのでブログはこれだけ。

 

 

ではまた。f:id:nkobi1121:20211005211012j:image

 

人はいつからでも変わる。

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上の美しい塗り絵は、ある患者さんが作業療法で仕上げたもの。本人の許可を得て掲載しています。

 

昨日の記事のHさん。誰ともコミニケーションを取ろうとせず、心を閉ざし、1日中表情険しく、ベッドの上で1日中過ごす。何にも興味を持とうとせず、誰とも喋ろうとせず、処置中に急にカッとなって手が出るため、誰も処置に行きたがらない。唯一の面会者であるお兄さんにまで手が出てしまったため、お兄さんも面会に来なくなってしまった。

 

そんなHさんの状況は少なくとも今年の6月くらいまでは変わらなかった。

今年の4月にB病院で院内感染が起こったため、4月から急に1ヵ月半ほどA病院で勤務できなくなり、おそらく何の説明もなされないまま主治医が一時的に変わったせいかHさんはこれまで以上に乱暴になった。そのため私の不在中に主治医となった男性医師が抗精神病薬を増やした。

 

6月にA病院に復帰すると、私は自分が急に不在になった経緯をHさんに話し、薬をもとに戻した。Hさんの興奮は一時的なものであり、精神症状の悪化とは考えなかったため、必要ないと判断した。

 

Hさんは話しかけても答えてくれないため、医療者もHさんへの説明を省いたりするかもしれない。でもHさんは話しかけたらちゃんと話を聞いている。薬を変えたり、薬を増やしたりするときには、患者さん本人にきちんと事前に説明するということを、疎通が取れない患者さんにはしない医者も多い。

 

 

その後、また病棟でピアノコンサートをした。前回はHさんをピアノで泣かせたろ、と思っていたが、Hさんがデイルームに出てきてくれず、空振りに終わった。

 

ところが、7月のコンサートでは、Hさんはデイルームに出てきてくれて、私はHさんの好きな曲を弾くことができた。

 

そのころから、Hさんに少しずつ変化が生じてきた。Hさんがデイルームに出てくるようになったのだ。

 

表情もまるで別人のような穏やかな顔になり、本を読んだり塗り絵をしたりしている。声をかけると、少しはにかんだように二言三言返事をしてくれた。

 

そのうち彼はぬりえに夢中になり、毎日精力的に塗り絵を塗るようになった。これまで塗り絵に興味を示した事はなかったみたいだけど、意外にも才能があると思った。

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塗り絵を褒めると、彼はうれしそうに笑った。そして「ありがとう」と言った。

 

最近は塗り絵を介してもっとたくさん話をしている。暴力も出なくなった。一年前の彼とは別人だ。

 

 

彼に何をしたのか?

何もしていない。ただ、いつも対話をしていただけ。

 

精神科医は、急性期の患者さんには熱心に対応するけど、慢性期の患者さんに対してはあまり熱意を示さない。慢性期の患者さんは、長い年月のうちに病状が固定されてしまって、「何をしても変わらないから」と医療者は諦めてしまっている。

 

でも、そんな事はなかった。

 

私は対話の持つ力を信じている。

対話と言うのは、実は相手が言葉を返してくれなくてもできる。言葉だけが対話の要素じゃないから。

 

近いうちに、対話についてのお話をYouTubeチャンネルでします。

 

今日のピアノ



ではまた。

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Hさんの塗り絵(3枚)

 

 

 

 

 

 

 

【再掲】問題のある患者さんを泣かせてやる!(虐待宣言)

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この記事は、ちょうど1年ほど前に裏ブログに書いたので覚えのある方もいらっしゃるでしょう。1年でこの患者さんが、まるで別人と言えるほど変わったため、次回それについて書きます。

 

(約1700文字)

つい最近、私のある担当患者さんについて看護師たちとカンファレンスをした。統合失調症の60代男性Hさん。すべてにおいて拒絶的で誰とも話そうとしない。看護師が何かの処置や介助をしているときに、急にスイッチが入り、看護師を蹴り飛ばしたり、殴ったりする。何も言わずに素早く攻撃を繰り出すため、よけきれず受傷する看護師も1人2人ではない。「なんとかしてくださ~い(涙)」という看護師の訴えから今回のカンファとなった。

しかしここA病院のいいところは、そんな目に遭っても看護師が「せんせい、薬でおとなしくさせてください」だの「拘束してください」だの言わないところだ。同じ神戸の精神科病院でも、患者虐待を起こしたどこぞの某K病院とはえらい違いだ。それでも、ひとたびああいうことが起こると、主語を大きくしたがる人達が「精神科病院はヤバい!」と言う。まじめにやっている医療者はえらいとばっちりだ。

 

一日中ふさぎこみ仏頂面をしているHさんは、作業療法にも参加せず部屋にこもっている。それでも以前は、定期的にお兄さんが面会に来て、好きな食べ物を差し入れしてくれたりして、それを楽しみにしていたが、昨年お兄さんにもついに暴力をふるってしまい、とうとうお兄さんも来なくなってしまった。

 

カンファで、暴力が出そうな不穏な時は無理に処置や介助をしないでよく、人数のそろっているときに複数で行くことに決めた。また、暴力が出るシチュエーションについて記録してもらい、介助のやりかたについて、認知症のケアのユマニチュードを試してみることにした。認知症だけでなく、不満や不安を言語化しにくい人に安心してもらえたら、もしかしたら暴力も減るかもしれないという観点からだ。

 


それから、すべてのことから心を閉ざして一日を無為に過ごしていることについて話し合った。 すると、古参の看護師が意外なことを教えてくれた。

 

「あの人も昔はもっと明るく活動的でいい人だったのだけど…。井上陽水中島みゆきなどのフォークが好きで、ギターを弾いたりハーモニカを吹いたりしていたのだけど、もう何も興味がなくなってしまって…」

その看護師によると、数年前に車いすになってから、今のような拒絶的で無気力な誰とも話さない人になってしまったという。その後は自殺未遂も何回かあった。

 

これを聞いて腹立たしい思いでいっぱいになった。おそらく彼が車いすになったのは、元主治医のせいだ。抗精神病薬を多量に飲まされた結果、ふらつき転倒するようになり、転倒を防止するために車いす生活となり、足腰が弱ってしまうのだ。私が4年前にフランスに留学し帰ってきた時には、私の担当だった患者さんの数人が車いす生活になっていた。そして一度車いすに座るようになると、歩くように促してもなかなか元に戻らないのだ。それでも、1人おばあちゃんを車いす生活から元に戻すことができたけど。

 

どうにかHさんが少しでも以前のように日々の楽しみを取り戻せないだろうか。しかし本人にその気が全くなければ難しい。

 

私は彼のもとに行き、こう聞いてみた。

「来週、病棟でピアノ弾くんだけど、何か聴きたい曲はないですか。」

 

すると彼は意外にも、答えようとした。

しかし、長い間声を出さなかったせいか、声を出そうとするが声が出ない。

紙とペンを渡すと、彼はなんとか判読できるぎりぎりの字で、小椋佳吉田拓郎の歌を書いた。

 

いつもの拒絶でなく、曲名を書くということは、彼はまだこの世界の楽しみを完全に放棄したわけではなかったということだ。

 

よし、来週の火曜の2病棟のピアノコンサートは、彼の好きなフォークをたくさん弾いて、彼を泣かせてやる。そして心の分厚い防波堤に風穴を開けてやる。

 

K病院の虐待看護師たちよ、どうせならこうやって患者を泣かせてみたら?まぁあなたたちにはできないでしょうけどね。

 

今日のピアノ



ではまた。

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ピアノの邪魔をしすぎてついに締め出しをくらった猫。