相次ぐ米国銃乱射事件に思うこと

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(約2100文字)

米国銃乱射事件が多発している。かの地では、一般人もわりと簡単に銃所持が出来るため、事件はごく一部のテロだけでなく、未成年による乱射事件から、はては幼児が4歳が7歳を撃ったみたいな悲劇まである。銃とは幼児が遊びでうっかり撃てるくらい引き金が軽いのかと驚いた記憶がある。

そんな悲劇を繰り返しながらも、銃規制は進んでいない。驚くことにアメリカでは、軍保有の物を除いても3億丁を超える銃が存在するらしい。スマホかよ!よっぽど銃製造関連の人間の利権がからんでるのかな。

 

日本人の価値観とは違って、アメリカは『銃を持つ悪者に屈するな!自分たちも銃を持ち戦うのだ!』みたいなマッチョな価値観が存在するからなぁ。でもいわゆる『犯罪者』と違って、自分は『善人』だと、ほとんどの人が、自分が犯罪者となってしまう時までそう思っているし、実際に私は人を殺したことのある反社会的人物と話す機会もあるんだけど、彼らですら自分をそんなに悪人だと思っていないんだなぁ。アメリカではそんな、「たまたま今まで罪を犯すにいたらなかった」だけの多くの潜在的犯罪者たちが自分を善人側と疑わず、銃保持の権利を声高に叫ぶ。潜在的犯罪者とまでいかなくても、うっかり子供の手の届くところに銃をすぐに発射できる状態でおいているといううかつな人達まで含めるとどれだけ多くの人物がいるのか、想像もつかない。

今から30年くらいも前だったか、日本人留学生男子がアメリカの田舎町でハロウィーンの日に、知らない家の玄関でトリックオアトリート!とやって、Freeze!(動くな!)と住人に言われたがその意味が分からず、動いてしまい銃殺されてしまったという痛ましい事件があった。私はそのことを覚えていたので、スマホのない時代、凍え死にそうな日の真夜中3時頃にタクシーに知らない田舎町に降ろされ、コンビニも電話ボックスもなく、民家に頼るしかなかった時に、住人に撃たれないように『警察を呼んでください!』とドアじゃなく私の姿が見えるよう窓越しに話して、事なきを得たことがある。

 

実際、観光程度ではよっぽど運が悪くないと遭遇しないかもしれないが、NYレベルの都会に暮らすと、銃の存在を意識することが数回はあった。私は20~22歳までの1年半ほどをNYで過ごしたことがあったが、例えば私のよく行っていたコンビニ規模の小さな店(なんていうんだっけ、こういう店…)を出てからすぐ、強盗が銃を持って押し入るということがあったり、ある日ガーデンシティからマンハッタンまでの電車に乗っていたのだけど、その1本後の電車内で銃乱射事件が起こり、数人の乗客が死亡したこともあった。夜、当時はスコッチ専門店で働いてたんだけど、やけに外がうるさいのでマスターと見に行ったら、警察とどこかの車が銃を撃ち合いながらカーチェイスをしていて、映画のロケか~なんて思ってたら、ロケじゃなかったり…。

 

あの頃は、強盗対策として、出かけるときは、お金を分けて持ち歩いてた。靴の中とかね。以前、強盗に対して差し出せるお金が1ドル程度しか手元になかった人が、逆上されて撃たれたということもあって、20ドル札は最低でも持ち歩いていた。それで、もし強盗にあったら、慌ててお金を差し出そうとポケットや鞄に手を入れようとするのでなく、両手を上げて、『お金は上げますから、持って行ってください』と相手におとり用の財布を持って行かせる。でないと、ポケットや鞄に手を入れようとすれば、相手はこっちが銃を取り出そうとしていると思ってすぐにその場で撃つだろうから。まぁ今はキャッシュレスの時代だから、財布を狙われるより、高価な時計などの装飾品をしている人が、それを狙われるのかな。

 

相手から身を守るために銃を持つという意見もあるだろうけど、もし相手が金品強奪が目的で、銃は脅しに使われているだけであれば、こちらが銃を持っていなければ命は助かる可能性は高い。でも、相手が銃で脅した瞬間、こちらも銃を取り出すとすれば、無傷ではすまないと思う。私がもし広場に銃乱射に来た犯人だとしたら、そこにいる大勢の人の中から、銃を取り出そうとした市民をまず先に撃つだろうね。自分が銃を持つことで相手が撃たないという抑止力になればまだいいが、残念ながらほとんどの人間はアホだからね。そして、日頃から訓練でもしていないと動く標的を相手に有効な打撃を与えるのは難しい。そして、銃を所持するということは、自分の管理が甘ければ、その銃を他人に盗まれて悪用されたり、たまたま遊びに来た友人の子供が銃で遊んで悲劇が起こるかも、みたいな緊張感からそれを所持している限りは解放されることはない。いざというときのために家に銃を置いとくよりは、セキュリティのしっかりしたところに住むよ、というか、若い時はともかく、今はアメリカに住みたいとは思わんなぁ。あの頃、真夜中にひとりでほっつき歩いてたアホだった小娘の私をタイムマシンで叱りつけに行きたい!

 

自分も銃を持っているけどアホも含めほとんどの人がスマホ並みに銃を持っている社会と、警察ややくざなど特殊な人達以外のほとんどの人が銃を持っていない社会と、どちらがよいか、自分の身近な人が銃で亡くならない限りわからんかね、ジャンクフード脳の人たちは。

 

今日の動画



ではまた。

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