ボルドーからマルセイユへ

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久々に、夢を見た。

いや、たぶん夢は見ていたんだろうけど、今日の夢ははっきり覚えている。

朝いつものように4時に起き、というか猫に起こされ、今日は休みなので1時間くらい二度寝したんだけど、その時に見たようだ。

中学の部室に忘れ物を取りに行って、その時、好きだった男の子が他の女の子と話をしていた。顔が、当時の顔のような、大人の顔のような、はっきりしないんだけど、『幸せなんだな。よかった…』と思った。なんだかよくわからない夢。

 

子供の頃って、好きな子を遠くから見てるだけで幸せだったり、ちょっと話をすればキュンキュンしたり、相合傘や自転車の二人乗りなんかしようものなら、『もう死んでもいい!』って思っていたのに、いつから変わっていくんだろうね。

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今年の初めに、ボルドー氏とのよくわからない関係を終わらせようと思って、メッセージの返信をあえてしないことで、終わった。終わったと言っても、まだなにも始まってなかったんだけどね。

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頭でする恋愛と、心でする恋愛があると思っている。

ボルドー氏は、きちんとした職業で、家の中もキレイ、子供達との関係も良好、子供と散歩をしてコミュニケーションもとっていたし、ヘルシーなお弁当も作っていた。健康にも気を遣っていたため、朝早起きをして太極拳をしているせいか、お腹も引き締まっている。納豆も温泉も大好き、私とライフスタイルがちょっと似ているところもあったから、こういう人と一緒になったら、あまりストレスがたまらないだろうなと思った。性格も穏やかで、私が忙しくてあまり連絡がとれなくても、いつもニコニコしていた。頭の中で、チェック項目に次々とチェックが付く。容姿、体型、職業、年齢、趣味、健康、性格、宗教、…ケチのつけようがない。そのうえ私を気に入ってくれているらしかった。

 

なのになぜか、話していて、ワクワクドキドキしなかった。今までは、自分が恋をして、誰かと付き合ってきたから、自分が先に恋をしていなくても付き合うというパターンもあるだろうし、こんなに条件がよいのだから、そのうち好きになるだろう…と思っていた。でも、結局、『惚れる』という意味では好きにはならなかった。Whatsappでメッセージが来ると、すぐ返さないといけない気がして気が重くなるし、『おはよう』『おやすみ』メッセージは、相手に惚れていない時にはめんどくささしか感じない。だから、Whatsappよりも、メールがほしい、と言った。でも彼は「メールは、まるで独り言をいっているようで楽しくない」と、Whatsappを好んだ。これ以上ひきのばしても、相手の時間を奪うだけの気がしたので、今年の1月頃に終わらせた。いい人だったのに。

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去年の11月頃から、マルセイユの男性と連絡をとりあうようになった。きっかけは、11月の私の誕生日に彼がメッセージをくれたから。仮に『マルオ』としよう。マルオは実は5,6年前に出会った男性だ。私がフランス留学行きを決めてから、フランス語の勉強目的に語学交換サイトで出会った。マルオについては、実際に私がフランス留学のために渡仏し、直接会うことになるまでの1年近く、顔も知らなかった。年はたしか10近く下だったかな?出版業と本屋経営をしていた。

私は他の女性と比較すると、あまり恋に落ちにくい気がする。理想が高いというわけではなく、単に恋愛体質ではないというか。そもそも非モテだしね。そんな私が、5年前に、本当に久々に恋に落ちた、その相手がマルオだった。

 

マルセイユで2日ほどマルオと一緒に過ごした。以前、ブログに書いたと思う。めくるめく熱い夜を過ごした、あの彼だ。と言っても、読んだ方は覚えているだろう。めくるめくといっても、めくっていたのは鬼太郎カルタで、しかもハンデを与えてあげたらあっさり負けたから、途中からムキになって何度も勝負した。男女の仲?そっちはとても清い関係でしたわ、ホホ…

ボルドー氏とちがって、料理なんてできなくて、食べるものと言ったら仕事でパソコンを使いながら片手で食べられるサンドイッチやバナナを食べるのみ。床に使っているちりとりをキッチンの上に乗っけているダメっぷり。でも、料理が上手じゃない2人がキャアキャアいいながら一緒に料理して、ベランダのテーブルで食べたの、楽しかった。街の夜景と星空が同時に見える場所で。

私が数か月前にプレゼントに送った日本の本だけでなく、それを包んでいた紙袋を捨てずにきれいにたたんで残してくれていたのも、嬉しかった。

一緒に散歩してると、町の本屋さんだからか、そのへんの人から声をかけられたりしてて、いい人なんだな、と思った(もしかしたら、そう思わせるためにモブを雇った詐欺師かもしれないけどね⁉︎笑)

一緒に外を観光しながら、水を買ってきてくれたり、トイレのある場所を選んでその都度、『トイレ行く?』って言ってくれたり、最高の介護を受けている気持ちになったなぁ。

そんで、ピッツァマルゲリータと飲み物を近くの店でテイクアウトして、海辺に座って一緒に食べながらひとしきり話をしたあと、彼が『捨ててくる』とゴミを持ってゴミ捨て場まで行く後ろ姿を見ていた時に、彼が自分たちのゴミだけでなく、そこに落ちていた他人のゴミもさりげなく自然に拾って捨てているところを見て、スコーン…と恋に落ちる音が聞こえたのだった。

 

でもね、他の人の恋が、大きく打ちあがった花火だとしたら、私の恋なんて、線香花火ですらない、お線香なわけ。あのお仏壇の。もう、付いているんだか、消えているんだかわからない。煙がのぼっているから、かろうじてついているんだとわかるような感じ。いくらほのかに恋をしたとて、大学のえげつない課題の量の前には、せっかくついた線香もあっけなく消えるよね。私は、勉強や仕事と恋なんて両立できるほど器用でなくて、たいてい恋が脇に追いやられる。

かくして、5年前の私のほのかな恋愛は簡単に消えてしまったのであった。

 

そして、11月の私の誕生日にメッセージが来てからなんとなくまたメールのやり取りなど、のんびりと再開しているのである。あの時のような恋心はもうないのだけど、ほのかに楽しい。5年前は、私たちはフランス語でやりとりをしていたが、今は日本語でやりとりをしている。いつまで続くかわからないけど、この恋愛とも友人とも決めないような、ゆるい関係でゆらゆらとやりとりをするのが今は心地いい。

 

今日の動画



ではまた。

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