勉強に対するごく個人的な雑感~生物と語学とジャズと~

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先日、ももはなさんの次のような記事を目にした。

however-down.hatenablog.com

ちょうど最近、勉強について思うところがあるから書いてみようと思う。でも、子供に勉強が必要な理由についてでなく、単に勉強について最近考えていたことを可視化したかっただけ。例によってあまりまとまらなくなったらごめんご。

 

昔、高校生物で次のようなことを勉強したのね。すごくざっくばらんに説明すると、

ニューロンという神経細胞があって、受けた刺激がこの細胞体から軸索を通ってシナプスという神経終末部分まで、一方向に電気的にビビビって走るんだけど、この軸索を髄鞘という鞘で覆っている有髄神経と鞘のない無髄神経があるのね。髄鞘で軸索が巻かれている有髄神経は、何も巻かれてない無髄神経に比べて、飛躍的に刺激伝導のスピードが大きいのだけど、これはなぜかというと、巻かれている髄鞘は絶縁体なので、電気的刺激は、髄鞘髄鞘の間にちょっと露出している軸索の部分だけをぴょんぴょんと飛ばし飛ばしに進めばいいから、地道に一歩一歩進んでいる無髄神経に比べてスピードが段違いというわけ。

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ここまで読んだあなた、「はぁ…それはわかった。教養にはなったけど、生物の知識、実際に使わないんだよね」と思われたかもしれません。

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ところで、私のブログを読んでくださっている方は、私が英語とフランス語を勉強していることをご存知だと思います。勉強、とは言っても、今やってることはNetflixのドラマやアニメを英語やフランス語で通勤時に見てる程度なので、勉強と偉そうに言えたものではないのだけどね。

 

英語については、こういった勉強をし始めた時は、スラングアメリカ特有の文化の違いによるジョーク交じりのドラマは聞き取りにくく、あまり楽しいとは思えなかったけど、継続のおかげか、はたまたイギリスで大量の英語の聞き取りを余儀なくされたせいか、英語については、今は普通にドラマやアニメを楽しむことが出来ている。一方、フランス語については、2年フランスの大学で勉強したにもかかわらず、まだまだドラマやアニメの聞き取りにある程度の不自由さが付きまとっていた。

 

ところが、ある習慣を始めて1年、フランス語でドラマやアニメを楽しめていることに最近気づいた。以前よりも飛躍的に聞き取れるようになったのだ。私がフランス語の聞き取りを飛躍的に高めた秘密兵器は、「フランス語会話とっさのひとこと辞典」という会話集の暗記である。1日2、3ページの会話を暗記する。毎日前回までの部分を復習しながら少しづつ進み、覚えていたら「正の字」を書く。5回覚えていたら、そのフレーズは卒業、ということで線で消す。850ページものあるこの本、1ページ当たり3~10くらいフレーズがある。全部で約5000くらいの基本フレーズがある。これをだいたい1日20分くらいかけて進めていき、そろそろ終わりが見えてきた。この時点で、飛躍的に聞き取りが伸びた!

 

これってどっちかというと聞き取り用の教材ではなく、スピーキング用では?と思われたかもしれない。でも、スピーキングはむしろ、決まった言い方を知らなくても、とりあえず手持ちの少ないボキャブラリーで何とか伝えることが可能。かっこよくはないけど、たとえば「あさって」という言葉が思い出せなくても、「明日の次の日って、なんていうんだっけ?」と聞くこともできる。

 

スピーキング用のフレーズを知っていると何がよいかというと、1フレーズの大きな塊を、自分が知っているフレーズであれば瞬時にイメージできるということ。

例えば、ドラマで誰かが長いセリフをべらべらとしゃべっているところを想像してみる。

そのべらべら…というのをまともに訳そうとしたら、1つの単語や関係代名詞なんかに引っかかっている間に、もうその人はべらべらと先をしゃべっている。そんな経験ありませんか?

ところが、ある程度のフレーズを知っていれば、

(あるフレーズ), but you know, I mean …(ちがうフレーズ)

このフレーズ、どんなに長くても、知ってさえいれば一瞬でイメージできるので、訳さないで済むんだよ。

そう、聞き取りが出来るようになるには、訳すんじゃないの。フレーズを前もって知っていれば、その知っているひとかたまりと次のひとかたまりまで、ぴょんぴょんと飛ばし飛ばしに進めばよいんだということに気づいたの。これってまさに有髄細胞の跳躍伝導だね。

 

そして、最近始めたジャズピアノ。今まで、ジャズピアノが弾ける人って天才じゃないかって思ってた。もちろんレジェンドや第一線で活躍するピアニストは天才でしょうね。でも、そこまででなくても、ジャズピアニストが即興でアドリブやるって、自分がかっこよいアドリブが即興でつくれないから、それができるだけで天才ちゃうか!?と思ってた。でも、気づいた。彼らは手持ちのイケてるフレーズをたくさん作って貯めている。ジャズのコード進行は、わりとある程度パターン化しているものも多いから、このコード進行につかえるフレーズはこれとこれとこれ、みたいに、ある程度仕込んでおけば、その場で華麗にアドリブをすることも可能なわけ。もちろんその曲のすべての部分に手持ちのフレーズが使えるわけではないけど、自分の使えるフレーズをちりばめながら、そのフレーズと次に使えるフレーズの間だけホントの即興で何かテキトーに弾いてつなげるんなら、そこまで難しくないよね。これもやっぱり有髄神経的発想だよなぁ。

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うーん…私の説明が下手過ぎて、いまいち伝わっているか自信がないんだけど、生物の知識が、外国語習得(リスニング)に応用でき、さらにジャズのアドリブのやり方に応用できるという、勉強の奥深さ!「生物なんて役に立たないよ」なんてことはない。学問って思いがけなくつながっちゃうから面白いんだよね。わかってくれる人がいたらうれしい。

 

今日のピアノ



ではまた。

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