病棟系ピアニスト

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8月1日から開始したピアノ動画が、1回も落とすことなく9月まで続いた。

 

忙しかったにもかかわらずこれが続いた理由としては、一つには、完璧を期さなかったこと。

 

もう一つは、手伝ってくれる人の存在。写真は、ブロ友さんであるまゆきさんの美しい写真を使わせていただくこともあるし、フリー素材の時もある。そういった写真を選ぶことから、編集から、面倒な著作権申し立てへの対応まで一手に引き受けてくれている人がいて、そのために私の手間はほとんどかかっていない。

 

じつは、はてなブログゆかりの人なので、名前を出さない方が良いかもと、あえてここにお名前は出さないけど、彼女が毎回どんな動画に仕上げてくれるのか、いつもワクワクと楽しみにしているので、そのために続けられるとも言える。この場を借りてお礼を言います。いつもありがとうございます!

 

ピアノ動画を始めるまで、私はピアノをちゃんと習ったことがなかったということもあり、人前で発表会をしたことなどもない。ゆえに、自分の演奏を客観的に聞いたことがこれまでなかった。

 

そのため、自分の演奏を自分で聞いたときに、衝撃を受けた。これはまずい!

 

そんな時に、YouTubeに次々と現れる有名ピアノ系YouTuberの人たちの演奏に、また違う意味で衝撃を受けた。ちゃんと長年ピアノを習って、音大に行ったりコンクールに出たりしている人たちの演奏はこんなにキラキラしてんのね。

 

通常は、ここで凹んでやめてしまうのが普通の人の神経。ところが肉qさんは図太かった。

 

この状態から、YouTubeでピアノの弾き方を学んだことを少しずつ取り入れながら弾いているので、きっと5年後ぐらいには今より見違える位うまいに違いない!

 

と言うわけで、今は多分付き合いやお情けで聞いてもらっている私のピアノであるが、今に見ておれ!(今に聞いておれ!)

そのうち真のファンが現れることを夢見て…

 

上手くなりたいと思った理由のひとつに、私の「病棟系ピアニスト」としての活動がある。

 

私は仕事の合間に、時々デイケアや病棟の作業療法の一環でピアノ弾くんだけど、それ以外に病室でピアノ弾くことがある。

 

意外と精神科病院には、末期がんの患者さんや死期が迫っている患者さんが入院している。本当は緩和ケアをやっている病院に入院できたら良いのだろうけど、同意能力がない患者さんの家族が協力的でないと、そういうところに転院ができないのだ。

 

うちの病院は、そんな死期の迫っている患者さんに対して、まだ元気なうちに本人の行きたいところに連れて行ってあげたり、食べたいものを可能な限り食べさせてあげたりと、まだ良心的な対応をしている方だ。

 

それでもやっぱり、医療スタッフは忙しいので、患者さんの体についたモニターが鳴らない限りは、患者さんはベッドで1日何をすると言うこともなく最後の日々を過ごす。家族もめったに来ない。

 

最後の時を、病院の殺風景な部屋の中で、家族もおらず、ただただベッドで待っている日々は、どんなものだろう。

 

だから私は、数年前から、そんな死期の迫っている患者さんのベッドサイドで、患者さんの好きだった曲をチビピアノかキーボードで弾くということをやっている。

 

ほとんどの患者さんが、もう疎通が取れない状態なので、喜んでくれているかどうかわからない。でも、ずっと無表情だった人が涙を流したり、こちらに手を伸ばしてきたり、ずっとしゃべらなかった人が言葉を発したり、そんな、亡くなる目前でもしっかり感情を表現してくれる患者さんたち。それまで苦痛に顔を歪ませていた人が、その後とても安らかな顔になってくれたことも。

 

それで、思ったのね。この人たちの人生最後に聴く音楽なんだから、こんなもんじゃだめだ。もっともっと上手くならなきゃ…

 

 

だけどぉぉ僕には時間がないぃぃ♪

(もしもピアノが弾けたならのメロディーで)

 

なので、もっと休みをくださいぃぃぃ。

 

今日のピアノ

ではまた。

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