先日脱水症状になり、塩飴と水分摂取で生き返ったことを書いた。
ところでうちの入院患者さん達の採血結果を見ても、塩分が低い人がちらほらいた。ただ、ここの患者さんたちの場合は水を摂りすぎて体内の塩分が薄まっている人たちも多くいる。いわゆる水中毒である。
寝たきりの患者さんたちは、自分たちで水分を取れないので、水中毒では無いのだけど、体内の塩分が不足するのにはいろいろな理由がある。
これに対しては、もちろん原因を調べて取り除くことが最優先なのだけど、ここではいちいち書かない。不足した塩分を補うのに、例えば塩化ナトリウムを1日3グラム毎食分、処方したりする。
A病院では、梅びしおを出すことができたが、B病院ではそんなものはないので、塩化ナトリウム処方となる。
でも、ご飯やお粥の人は、それにかけるからいいんだけど、ゼリー食の人は…?と看護師に尋ねると、ゼリーにかけるのだと言う。甘いゼリーに塩をかけると、塩バニラのようなデザートの味がするのかな?
看護師は言う。患者さんによっては、他の薬を飲む時に、薬として一緒に飲むのだそう。
「でもそれってしょっぱくない?」と私が聞くと、看護師は、「苦いよりはいいんじゃないですか。患者さん普通に飲んでますよ」
うーん…
血液検査での逸脱した数値をもとに戻すのは大事だけど、毎日毎日のちょっとした生活の質も大切だよね。
…と思って、患者さんには塩化ナトリウムの代わりに梅昆布茶を購入して飲んでもらうことにした。どうしても医療者は、健康管理にばかり目が行き過ぎてしまうけど、結局私たちのやることの究極の目的は、みんなが幸せを感じながら生きてもらうことだと思うんだよね。
今日のへっぽこ精神科医のウダウダ喋り
今日のピアノ
スピッツのホタル
ではまた。