職場での話。
「Aさん最近、30万の時計買ったんだって!」
このAさん、同僚の医師ではない。
看護師でもない。誰のことがわかるだろうか。
実は、当院に入院中の生活保護の患者さんであった。精神科の患者さんで、施設の適応もなく、家族も面倒が見きれないという人たちの多くが精神科で生活を続けている。いわゆる社会的入院というや
つだ。
精神科の患者さんで生活保護受給者の人は、外来患者さんだと、入金されてすぐにギャンブルにつぎ込んでしまったりしてお金がもたない人たちも多いが、これが入院患者さんになると、お金を使わないため、長年入院するとお金が溜まってしまう。
あまりお金が溜まってしまうと、生活保護打ち切りとなるため、生活保護のワーカーさんから「お金を使ってください」と言われ、「時計なんかどうですか」と勧められ、入院中の生活に到底必要なさそうな30万の時計などを購入してしまう。
何かがおかしくないか…?
こういう人たちは、お金を使い切らないといけないので、割と贅沢をする。タクシーに乗りつけてカラオケに行ったりする人もいるらしい。
貯金がダメだからと無駄遣いを推奨して、結果的に自立を妨げてないかな。
一方で、制度のはざまで、生活保護が適用とならず、餓死して見つかったりホームレスになったりする人もいる。
なんだかね…制度がちゃんと機能していない。
そんなふうにキラキラした時計や靴を持っている生保の方々と対照的に、暇がなくて着るものに無頓着になって、擦り切れたジーンズに安いTシャツを着ている医者…一緒に並んだら、誰もが生保の人の方をお金持ちだと思うに違いない。
ま、いいけどね。
今日のピアノ
ユニコーンの自転車泥棒。知らない人多いだろうな。歌詞が良いんだけどね。でも今回はリズムがブレブレで失敗した(涙)
ではまた。